匂い 第7話「GC」
あまりの激痛と異臭のため気がつかなかったが、僕はとなりに同じくうつ伏せて、M-Yago の方向を凝視している男の姿を発見した。
いくぶん細めながら直立させればM-Yago よりもかなり大きく、背中に「Monty Python」と書かれた迷彩のつなぎをまとったこの男の顔を、ところどころタバコの跡が残る焦げ茶色の正方形の板張りの床にうつぶせながら、頭を動かさずに眼球だけ動かして覗き込んだ。だが、男はまるで僕の視線を無視しているかのように、素早く左手で腿の横のポケットを探ると、直径10cm ほどに巻かれたピアノ線を取り出した。そして教卓側の扉の横まで身を屈めたまま驚くべき速さで移動した。そのまま教室の引き戸の前に子供用の椅子を二つ無造作にならべ、ピアノ線をその8つある脚の4つに半ば無造作に巻き付け、最後に腰のベルトから取り外した灰色の球体から出ているピンに結びつけ、緑色の物体を教室の隅から突き出たガス栓に固定した。
「Are は、yatsu がもっとも得意としていru 武器、GC だ。」
壁際からM-Yago が低い声で僕に言った。


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